10月20日(土)霧のち快晴 
オーストリア ザルツカンマーグートの旅

ザルツブルグからザンクト・ヴォルフガングへ

 当初の予定だと、ハルシュタットへ先回りするつもりだつたのですが、昨夜の天気予報で明日天気が崩れるようなので、ザルツカーマグートを先回りすることにしました。ホテルで朝食を食べ、チェックアウトします。また明日このホテルにチェックインするのでスーツケースは預かってもらうことにしました。今日と明日はバスの旅なので、身軽の方がいいのです。

 目の前のミラベル広場からバスに乗ることもできるのですが、いったん駅前に行き、始発から乗車することとしました。駅の郵便局で切手を仕入れておきます。9:15発のバートイシュル行き15便に乗車します。前扉のみの観光型で乗車時に運転手から切符を買います。一人63ATSでした。

 程々の利用客があり、乗車に手間取ったためか2分遅れで発車しました。ミラベル広場でも観光客のグループを乗せます。町中の停留所にいくつか停まり、市街地を抜けるといきなりヘアピンカーブの峠道となりました。ザルツブルグの市街地がだんだん小さくなってゆきます。天気は快晴で紅葉の木々がすばらしい風景です。

 一つ目の町が近づいてくると、すっぽり霧の中へ入ってしまいました。町を抜けて坂を下ると、また晴れて左下にフシュル湖が広がります。幹線道路から外れて集落へ入って行きます。集落内の道路はバスが1台通るのがやっとで、乗用車とのすれ違いに難渋していました。



 また幹線道路に戻り、もう一つ峠を越えるとヴォルフガング湖が広がるはずなのですが、なんと霧の海になっているではありませんか。ちょっとがっくりです。St.Gilgenバスターミナルに10:05到着。ここで休憩を取るようで、少し停まっています。しかし、ちょっと寒い。とにかく湖畔へ降り、湖を渡る連絡船乗り場へ急ぎます。

 桟橋には、リタイヤ組の団体さんが乗船を待っていました。その列の後ろに並びます。切符売り場は閉まっていて、乗船の際に鞄をぶら下げている乗組員から、桟橋上でパチパチと穴を開ける切符を買いました。58ATSでした。

 
 10:15発の22便に乗船しました。ここの経営はオーストリア国鉄がやっていて、いちおう国鉄連絡船なのです。船内にはバーカウンターがあって、コーヒーとかお酒を売っています。先程の団体さんが立て続けに注文をしていて、到着するまでに飲めるのかなぁと思いました。



 途中何ヶ所かに寄港し、目的地のSt.Wolfgang-Schafbergbahn(ザンクト・ヴォルフガング登山鉄道駅前)に着く手前で、いきなり霧がとれて晴れ渡ったのにはびっくりです。10:52着。なお、町中へは、もう一つ先のマルクトで降ります。

 まず目の前のSchafbergbahnhof(シャフベルク登山鉄道駅)で、登山列車の切符を確保します。各列車とも定員制で整理券を確保しないと乗れないのです。すでに午前中の列車は売り切れで12:19発の整理券を何とかゲットする事ができました。往復切符は560ATSで、レシートみたいな機械発券でしたが、整理券は硬券でした。ちなみにクレジットカードで購入できました。

 しばらく時間があるので、ホテルの場所を確認します。STRANDHOTEL MARGARETHAは、登山鉄道駅の近くにあり、湖畔に面していて、シャレー風の良いロケーションです。ここは、街の中心から外れているので静かなところでした。そして、カメラの電池を買いに街の中心へ行ってみました。 あちらこちらに横断幕や立て看板が立っていて、出店が出てお祭りをやっているような感じでした。スーパーで無事電池を購入し、駅に戻って列に並びます。定員制ですが自由席です。



 発車時間が近づくとゲートが開けられ、整理券を係員に渡し、切符を見せて入場です。その時写真屋さんが乗客に向けて写真を撮っていました。この訳は帰りに分かります。手前にSLが押し上げる客車編成が、奥に単行のDCが停まっています。

 SLも捨てがたいのですが、今はオイル炊きの新型SLなので、石炭のにおいがしません。1両だけ昔の石炭炊きのSLがいるのですが、団体や特別列車しか牽引しないそうです。そして、定期列車より足が遅くて、特別料金を取るそうです。ノスタルジック列車と銘打っていました。シーズンではない今日は運転されないようです。個人的にはDCが好きなのでそちらに乗りました。

 

 12:19発の3723列車に乗車しました。(B4VT5099001-9) SLと続行運転です。いきなりかなりの勾配を昇ります。車内は向かい合わせの4人掛けでプラスチックの座席です。どんどん山を登り、湖が小さくなってゆきます。信号所で下り列車と交換し、まだまだ登ります。トンネルを抜けると途中駅Schafbergalpeに停まります。列車交換をし、ここからハイキングをする人は降りてゆきます。

 この先は、森林限界らしく、木がなくなりました。大きく右にカーブし、切り通しを抜けます。このあたりが映画「サウンドオブミュージック」に出てきたあたりだそうです。もう一度左にカーブし、トンネルを抜けると終点Schafberg-spitze(シャフベルク山頂駅)に12:58に到着しました。まず、橋上駅舎に上がり、帰りの整理券を確保します。しかし、帰りは15:32までありませんでしたが。



 今日は快晴で360度の展望がすばらしい。朝の霧が嘘のようです。列車に大荷物を担いでいた人は、頂上で荷物を広げると、それはパラグライダーでした。準備を整え、どんどん舞い上がってゆきます。

 頂上まではもう少しで徒歩で昇ると、ロッジと国鉄直営の山頂ホテルがあります。登山鉄道の昇ってきた斜面の反対側は切り立った崖で下を見ると怖いですが、周辺の展望は「すばらしい」の一言です。

 まだまだ下山列車まで時間があるので、国鉄直営山頂ホテルのテラスで昼食を取ることとしました。ここからは、山頂駅に到着する列車や、下の湖など景色が一望です。ビールを飲み、団子みたいなランチを食べ、食後にコーヒーを飲みながらゆっくりと過ごしました。


 名残惜しいですが下山の時間になりました。帰りはSL列車の客車に乗車します。15:32の3736レの発車が近づくと硬券の整理券を回収されました。途中駅Schafbergalpeに停まり、空席に乗客を乗せます。全員乗り切れたのかな。途中の信号所ですれ違った列車にはさすがに空席が目立ちます。

 16:17にSchafbergbahnhof(シャフベルク登山鉄道駅)に戻ってきました。出口には行きの写真屋が撮影した写真を広げて待っており、商売をしていました。私は買いませんでしたが。
 なお、往復乗車券と山頂ホテルの食事と宿泊が付いているパック商品も麓の駅で販売しています。ただ、登りは夕方の列車に限定されていました。

 ホテルに戻り、チェクイン。今日の夕食はホテルでできないので外で食べてきてほしいと言われ、街の中心部へ。なにやら街がお祭りムードで活気があります。魚のネオンが出ていた店に入り、魚料理を頼みましたが、今日は大会の前夜祭の貸し切りが入っているので、パスタしかできないと言われました。仕方なくパスタにすると他の人も同じようなモノを食べていました。
 外に出てみると、近くのホールから同じ紙袋を抱えた人が出てきます。その近くに貼ってあるポスターを見ると、明日湖を一周する年一回のマラソン大会があるようなのです。暗い夜道をホテルへ帰りました。
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